テーマ設定のコツの一つに、
言葉と言葉を掛け合わせてみる―
という方法があります。
図式にすると、
【Aの言葉群】×【Bの言葉群】=【テーマ(フレーズ)設定】
となります。
先ほどの「選挙」を題材にするなら、【Aの言葉群】は次のようなものになります。
▼Aの言葉群
「選挙制度」、「選挙方式」、「選挙活動」、「選挙権」、「選挙資金」、「選挙規約」とか、
「18歳の投票(参政)権」、「アイドルグループの総選挙」、「外国人の参政(投票)権」
など、「選挙」にまつわる言葉やフレーズがAの言葉群です。
そしてもう一方の【Bの言葉群】は、論文タイトルなどによく見られる次のような言葉たち。
いわゆる「論文タイトルあるある」パターンの言葉群です。
▼Bの言葉群
◆~問題 ◆~課題 ◆~説 ◆~視点 ◆~論点 ◆~論拠 ◆~改善・改良・改正・改革・革新
◆~社会 ◆~時代 ◆~環境 ◆~世界 ◆~状態・状況 ◆~差(格差・温度差・男女差…)
◆~傾向 ◆~化(温暖化) ◆~性(関係性・相関性・有用性・類似性・可能性・普遍性・優位性…)
◆~効果(波及効果・相乗効果…) ◆~影響 ◆~像(リーダー像・理想像・実像・虚像…)
◆~変容 ◆~進化 ◆~劣化 ◆~変更 ◆~移行 ◆~転換 ◆~推移 ◆~展開
◆~下降 ◆~上昇 ◆~増大 ◆~拡大 ◆~減少 ◆~枯渇 ◆~助長 ◆~是正 ◆~抑制
◆~使命 ◆~役割 ◆~在り方 ◆~展望 ◆~期待 ◆~予測・予想 ◆~再現 ◆~応用
◆~観(価値観・死生観・人生観・社会観・世界観…) ◆~感・感覚(満足感・浮遊感・無力感…)
◆~検証 ◆~考察 ◆~歴史 ◆~法則 ◆~方式 ◆~公式 ◆~様式 ◆~制(制度)
◆~ジレンマ ◆~リスク ◆~メソッド ◆~イノベーション ◆~メカニズム ◆~モデル
◆~ステージ ◆~ステップ ◆~ソリューション ◆~バイアス ◆~ミッション
※Bの言葉群をより多く抽出する方法としては、ある一つの言葉が浮かんだら、その類語・同義語を調べてみよう。
では、A群とB群の言葉を掛け合わせたらどんなテーマ・フレーズができるでしょうか?
実際にやってみましょう↓
「選挙方式」×「劣化」ならば、
⇒「選挙方式の劣化」あるいは
⇒「劣化する選挙方式」といったフレーズができます。
さらに、「選挙方式の劣化」×「社会」とすれば、
⇒「高齢社会における選挙方式の劣化」
といったフレーズが浮かびあがってきます。
これはまだ未完成なタイトルですが、言葉と言葉が掛け合わさるたびに
テーマが徐々に絞り込まれ、明確になり、タイトルに近づいていく感じ、わかりますか?。
ちなみに、「高齢社会における選挙方式の劣化」というフレーズからは次のような論点を導き出すことができます。
>選挙権を持つ人は、圧倒的に高齢者が多いという今の日本の状況。
>それは世代間格差を生じ、必ずしも多数決の選挙が公平とはいえなくなった。
>よって社会構造の変化に伴い劣化した今の選挙方式を見直さなければならない。
というような論点が立つので、次は「何を目標に・参考に」「どうするべきか」へと論を進める。
例えば―、
>他国の制度はどうか、過去の制度はどうか
>ローマ法王選出のコンクラーベを参考にできないか
>アイドルグループの総選挙をお手本にできないか
といった「問いのフレーズ」をたて、さらに掛け合わせていけばタイトルは完成に近づきます。
↓↓↓↓↓
「高齢社会における選挙方式の劣化~世代間格差を是正するアイドル総選挙モデルの応用~」
といったふうに。
論文テーマに沿ってピックアップしたキーワードA群に、B群の言葉を掛け合わせ、フレーズ化し、
さらにそれを別の言葉やフレーズと掛け合わせて行く。これがテーマ設定のプロセスです。
言葉やフレーズを掛け合わせる試みは、私たちに思わぬインスピレーションをもたらしてくれます。
言葉の掛け合わせで、斬新な切り口のテーマ設定、秀逸なタイトルが生まれる可能性はぐんと高まります。
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