2016年5月15日日曜日

【02】壮大なテーマには落とし穴がある!?

「らくらく卒論3ステップ・フォーマット」のステップ①は、

『テーマ設定』です。

テーマとは、

「何を研究し何を明らかにした(い)のか」

「何のために何を研究したのか」

という研究論文の明確な目的です。

そしてテーマタイトルは、その研究対象を「どのような観点・切り口から考察」し、

「どんなアプローチを試みたか」を表明するワンフレーズ。

それがタイトルの基本です。


この『テーマ設定』で最も気を付けたいことの一つは、

壮大なテーマには落とし穴があるってこと。

壮大といえば聞こえはいいけれど、それは漠然としていることに他なりません。

漠然と領域が広いほど、調べるにせよ書くにせよ収拾がつかなくなりがちです。


例えば、

「人間とは何か」という漠然としたテーマと、

「人間のアイドル願望はどこから生じるのか」という絞り込んだテーマを比べてください。

どちらが研究しやすいでしょうか?

どちらが切り口としてインパクトがあるでしょうか?

どちらがまとめやすいでしょうか?わかりますよね。


テーマは広ければどうしても内容は浅くなる。

したがって薄っぺらでインパクトのない論文、ありきたりな文献の寄せ集めになりがちです。

時間かかったわりに、つまらない論文にしないためには、

徹底的にテーマを絞り込み、斬新で個性的な切り口を見つける。

それができれば、時間もかからず、充実した内容の、インパクトある論文になります。


では具体的には、テーマを絞り込み、斬新な切り口を見つけるにはどうしたらいいのか。

本著にある数種類の「パターン」を使うと見つけやすくなります。

その一つが「アプローチ別」によるテーマの絞り込み法。

例えば、

「犯罪防止」という大きな漠然としたテーマがまず浮かんだとします。

そうしたら、犯罪を防ぐにはどんなアプローチの仕方がある?と考えをめぐらしてみます。

いろいろ考えられるでしょうが、次のような観点が出てくるのでは―。

①取り締まり強化による…>警察や自警団の活動を拡大・充実させる

②環境浄化・整備による>殺伐とした犯罪の温床をクリーンアップする

③ビッグデータ活用による>シカゴの殺人予報地図のようにITを駆使する

④地域コミュニティ育成による>地域の交流を盛んにし、地域を見守る目、見回る目を育てる

このように「アプローチ別」というパターンに当てはめてみるだけでも

切り口、観点がいくつか見えてくるはずです。

詳しくは、また後述しますが、

その前に、「漠然としたテーマさえも決めかねている」という人もいるでしょう。

次の章「ジャンルや方向性でお悩みのあなたは…」で、

そのヒントをつかんでください。

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